『世に棲む日日』の続き。
[慶応元年 長州藩内クーデター成功後]
[慶応元年 長州藩内クーデター成功後]
「艱難ヲトモニスベク、富貴ヲトモニスベカラズ」 と晋作がいったのは、この情景のすさまじさをみて言ったのであろう。人間の群れは、そういうものであった。事をなすべく目標を鋭く持ち、それにむかって生死を誓いつつ突き進んでいるときは、どの人間の姿も美しい。が、ひとたび成功し、集団として目標をうしなってしまえば、そのエネルギーは仲間同士の葛藤にむけられる。(第4巻 138頁)
●目標達成に向かって一心にがんばることは大事なこと。でも、その目標達成後にも流れがあるなら、集団・組織であれば、そこをその後までを見通す目と方向性を持つ人間はいないといけない。でないと、いわゆる「燃え尽き症候群」だったり、逆にエネルギーも持て余した末の暴走を招く。
●モノがないことには耐えれても、有り余る中で本来の姿を保つことは、人間難しいんだろう。
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