できることに目を向けず、できないことばかり指摘
◇ 事象
とあるアメリカ系組織でボランティア活動を2年ほどやっていました。
日本文化しか知らない純日本人の私はアメリカやオーストラリアの同世代の若者と一つ屋根の下で暮らすだけでのかなりの刺激だったのですが、
その時に一番驚いたこと、いわゆるカルチャーショックだったことは何だと思いますか?
それまで管理者との面接と言えば、自分のできていないところや反省点を挙げる場だと思い込んでいました。
しかし、その活動の一環としての面接で、まず要求されたことは
自分でできたと思うこと、自分のよいところを挙げるでした。
もちろんそれだけでよいわけではなく、その後で自分の改善点を出すように言われました。
頭では、そちらのやり方の方がよいと思うし、そうしてみようと納得したつもりでしたが、
自分のよかったところ、できたところがぱっとは出てきません。
そのような思考や行動ができるようになるためには、訓練や慣れが必要ですし、
その場の雰囲気や文化をそちらの方向に作っていくことが必要になります。
ーーー
定期テストや模擬試験直後の授業の中で「今回はどうだった?」と尋ねると、
生徒さんからは「ここができなかった」「取れると思っていたところでミスした」と話し始めます。
ですので、「まずできたところを言ってみて」と促すことをします。
案の定といいますか、私がそうだったように、この質問には口をつぐんでしまう生徒さんが多いです。
それでもあきらめずに、テストの度に、または宿題の確認の度に、
「まずはできたところはどこ?」から始めると、
場合によって、数回目からは、長くても数か月経つと、
「この教科は思ったよりもできた。でもその教科はできたと思ったのにミスしていた」
「宿題の範囲全体はやってきた。でもこことここの問題は難しくてできなかった」
という発言に変わって行きます。
生徒の対策
- まず自分にとってできていることやできた所はどこかを見つけて、
「ここはできている!」と自分を褒める - 次に、できなかった所、もう少しうまくできる所をあると認める。
そして、解き方や改善する方法を考え、小さいことからまず1歩、できるだけすぐに実行する。 - 実行するための大事なポイントは、少し頑張ったらできそうなところから!
(現実的ではない、高望みはしない!)
講師・親御さんの対策
- まずは「できたところはどこ?」から聞く。
- その後、できなかったところや改善できそうなところを尋ねる。
- 最後に、できなかったところをどうやったらできるようになるか、
改善すのに何ができそうかを尋ねる。 - 自分から改善方法が言えたら、考えられたことや言えたことを評価して、
それをやってみるように励ます。 - 改善策の実行後に、1~4を繰り返す
⇒特にビジネスの場では、この方法を「フィードバック」または「ポジティブ・フィードバック」と言います。
◇ まとめ
生徒さん本人が、学習を自分のものとして取り組むためには、
他と比べて良くも悪くも、自分の立っているところから始めるしかありません。
しかし、日本の教育現場、家庭環境を見てみると、
できていないこと、点数の悪い教科の方に目を向けざるを得ない環境や文化が強いと思います。
生徒さんが、その時点での自分にできていることと、できていないことを、
冷静に一歩引いて見て、それから一歩前へ踏み出していくようにできると、
周りから見れば遅れていているかもしれませんが、彼/彼女にとっては1ミリでも確実に前進します。
そして笑顔が出てきます。
まずはできているところを認めて、その後で改善に向かいましょう!
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タグ: LearningCenter, StudyCenter, やる気マイナス, 学習障がい, 発達障がい
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