もう10年も前に出ていて、
本屋でよく見かけたなと記憶の片隅にあったけど。
最近、やっぱり中国づいているようです。
内容は消化できていないところも多々あるけど、
目が留まったところを2つほど。
◆上巻pp.156-7
1942年、毛沢東は「整風」運動を提唱し、延安でおこなわれている諸制度について批判があれば遠慮なく言うように、と指示した。・・・・・ 若手研究員たちの意見は、毛沢東の気に入らなかった。毛は批判運動を魔女狩りに転じた。・・・・・父たちは、それから何ヶ月にもわたって徹底討論の場に引き出され、容赦ない批判にさらされ、くりかえし自己批判を求められた。おまえたちのしたことは延安に混乱をひきおこし、党の団結と紀律を弱め、ひいては中国を日本の侵略および貧困と不正から救い出すという偉大な目標さえも台無しにしかねないものだった、と非難された。党の指導者たちからは、偉大な目標を実現させるためには党に完全に服従することが絶対に必要なのである、とくりかえし教えこまれた。
→反論を抑えるような組織は、先が知れている。器が小さいことを露呈するから。
◆上巻p.255
母の心は沈んでいた。・・・・・こんどは夫の故郷宜賓を捨て・・・・・・。革命が達成されても、自分たちには安穏な暮らしがやって来ない。というより、おだやかな人生は、むしろ遠のいたような気さえする。人間のすることである以上、革命は人間の弱さから逃れられないのかもしれない—-母の頭に、はじめてぼんやりとそんな考えが浮かんだ。しかしこのときの母は、革命が人間の弱さを補う努力を何もしていないこと、それどころか、弱さを最大限に利用することによって成果を達成しようとしていることまでは、思いつかなかった。
→人が何かしようと動く時、何はともあれ不完全さとの格闘になる。そこから目をそむけたら、ムリが出てくるんだろうと思う。
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