この勉強を試した生徒さんの背景
おそらく彼が中学→高校の勉強の中でいちばん伸びた子かもしれない。
最初はまったくやる気を感じられなかった。漢字が課題とわかっていながら、覚えようとする気持ちはなかった。
”なかった”というのは、特性のためというのが大きい。
・集中できない
・自分の関心の方に簡単に流れてしまう
・こだわりが強い
(いわゆるASDの傾向が強い)
何とか紛らわすために、自分で撮ってきた、電車の音声を流しながら勉強していた。
そんな彼は中3の学習の中で、行きたい学校をしっかりと見定めて、
おそらくかなりきつかったと思うが、週2回の授業をこなし、集中力が途切れながらも自習も続けて、
見事に行きたい高校の入試を突破して、今は満員電車に大変な思いをしながらも、しっかり通学している。
何よりも現在の上京で、すばらしいのは勉強しようとする意欲を感じられて、頭と手を動かせていることだと思う。本当に成長したと思う。
苦手な英単語に導入した勉強法
そんな彼の1つの課題は英単語の記憶だった。
今回定期テスト前の勉強の中で、「関連付け暗記法」を導入してみた。
1つの英単語に対して、ノートを書いていく。
・もちろん意味
他には、
・意味がすっと取りやすい例文
・ その単語を連想しやすそうな関連語
(文法用語では接頭辞、接尾辞。漢字のヘンやツクリみたいなもの)
・ 日本語の音に近い言葉とそれをこじつけた場面
・ イラスト etc.
※単語によって覚えやすいものに変えていく。
講師から出したものが自分で覚えやすければそれを書き加える。そうでなければ不採用。
自分で思い付いたものも結構たくさん出してくれた。これがすばらしい!
自分から出したものの方が、すでに自分のものになっていて、入りやすいし、取り出しやすいので。
どれくらい覚えられたか、確認テスト
そして、約30語。準備時間にして約3時間で、完成させて、そして数回見直し。
確認テストを10問、そして追加の1問。
英語を聞いて、日本語を答える形式。
見事に全問正解!
(方法導入前は「絶対覚えられない!」とこぼしていた。)
1回目の回答で少し間違えたものもあったが、その後思い直して正しいものが言えた。
間違えていったものも、関連付けた方の言葉。
ex. prepareに関連付けた spare
うまくいった要因
元々持っていた情報処理と蓄積能力は間違いなくプラスに働き、
それを狙っていた。
電車関連の情報は、路線図や車両の種類はもちろん、運行状況やその時の天候などまできれいに思い出して、口にできる。
そこでで培った能力をフルに使って、
英単語でも覚えやすいものと関連付けるときれいに覚えられることに、
彼自身が気付けたのが、今回最大の収穫!
準備(書き出し)を少しずつでも簡略化することが今後の課題。
いや、最初は大変な思いをしながらも、徐々に余分なものをそぎ落として、もう少し気軽にできるようになるだろう。
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