今回も山本一力『おたふく』から。
金儲けを先に考える者は、食い物商売に手を出してはいけない。そんな手合いは、一文でも多くの儲けを出すためなら、かならずいい加減な仕事を始める。
「ほかのどんな生業でも、いい加減な仕事をされたツケは客が払うことになる」
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「食い物商売でいい加減な仕事をされたら、客は迷惑をこうむるだけじゃあ済まねえ。生き死にの瀬戸際に追い込まれてしまうんだ」
安心して口に入れることができて、ほどよい値で売られ、しかもその品が美味い時、初めて大きな儲けを生み出してくれる。
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儲けることを先に考えて食い物商売を始めたら、客はその了見を見抜く。
見抜いたら買わなくなる。
売れなくなると、儲けを出すためにさらに手抜きを始める。
手抜きのツケは、なにも知らずに買った客が身体で払うことになる。(243~244頁)
実際にユッケで亡くなっている人がいるしね。
食だけなく、仕事でやっている以上儲けは出さないと、仕事として続けられない。
効率をあげようとする。
でも、それが手抜きとなってしまうと、
そのツケは最終的にそれを手にする人に回ってくる。
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