生徒さんが持ち込む教材に、多くの場合「ワーク」と呼ばれるものがある。
授業で扱った内容を復習するための、いわゆる問題集。
定期試験と合わせて、こなして、提出させ、成績の一部にすることも多い。
「ワーク」なるものの特徴
この「ワーク」なるもの、正直に言ってしまうと、実に扱いづらい。
ほぼすべての教科に共通して、特に算数や数学では、問ごとのスペースが小さすぎる。
だから、十分な途中式が書けない。
思考の過程なんて、人それぞれ。
ぱっと思いついてできる人はたった数行で収まるだろうけど、
苦手な人にとっては、いろいろと試行錯誤してやっと答えにたどり着く。
そのためのスペースがない。
「ワーク」なるものの使い方
ついでに、その教材の使い方。
「答え合わせをして、間違っていたら、
自分の答えの横に、ペンで正解を書きなさい」と指導されることも多いと聞く。
どんな効果を期待しているのか??
そんなことをしたら、答えを書いた時点で、思考が止まり、
「終わった」と全く根拠のない満足を感じてしまって、
肝心なその問題が解けるようになる、という結果が得られない。
透けて見える日本の教育方針とその結果
ここから見える、大きく言うと「日本という国の教育方針」
●できる子だけできるようになればいい
●自由で柔軟な思考のスペースを与えなくてもいい
(もしくは与えたくない)
●1つの答えを押し付けて思考停止させる
その方針がもたらす結果として、
●途中式が書けない
●書こうとすると、紙の右側や下の方から書き始める
●大事なキーワードを拾えない
●自分なりの解き方を探したり、元を探る姿勢が出てこない
こんな感じで入塾する生徒さんとやっていることは。。。
問題を横に置いて、裏紙でもいいから白紙を渡す。
自分の思考の過程をまずは口に出す方から始まることが多いけど、
書き出していくように促す。
自分の書きやすい字の大きさで、わかりやすく書いて、計算していく。
キーワードを拾って、文章を作っていく。
こんな「リハビリ」を半年ほどすると、途中式を書き始め、
国語の記述問題が書けるようになってくるんだけどな。。。
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