『晏氏』第三巻

2008-07-25 | からnakmas | ファイル: .

この本の中で、大きなテーマの1つとして、
「既得権益を当てにし、得よう維持しようとする老勢力と、
それに対抗する、自他共に実力で測って、事を成そうとする新興勢力」
というのがあると思われる。

もっと、俗っぽく簡潔に言えば、「デキの悪い上役と、頭の切れる部下」というところか。

伝統的な家柄の貴族は、自分の利益と権力・特権にしがみつく。
それが国をダメにしていく。
そんな状況を傍目に見て、それじゃダメだろうと見切りつつ、
自分なり考えや策を練り、行動に移していく、ぽっと出の貴族というか。

そこでこの場面。
宴の最中に、斉の荘公は晏嬰を呼び出す。それは紛れもなく嫌がらせの為。
彼が向かっている間に、楽人に「こういう歌を歌え」と含めておいて、到着すると聞かせた。

「  已めんかな 
   已めんかな 
   寡人説(よろこ)ぶこと能(あた)わざるなり
   爾(なんじ)何ぞ来るや                     
・・・大夫の席から去ったらどうか、と晏嬰に勧告しているわけである。君主は自身のことを寡人といい、荘公自身は晏嬰の存在を悦ぶことができないという。その晏嬰が、なにゆえここにきたのか。
・・・その歌が三唱された。」                         

その後いくらかのやりとりがあり、
「晏嬰は・・・突然、歌を歌いはじめた。                
  已めんかな
  已めんかな
  国人説(よろこ)ぶこと能(あた)わざるなり 
  爾(なんじ)何ぞ在るや                      
荘公に君主の席を去ったらどうかと勧める歌である。・・・
晏嬰は[周囲の]怒声をあびながらも、歌を三回歌った。」

現在の会社の内情に当てはめると、洒落にならないか。。。      


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